第1回 商品先物取引とは何か?
(監修:セレンディピティ)
■商品先物取引ってどんな取引?
商品先物取引では株(証券)や為替(FX)と異なり、身近なモノを取引していきます。 具体的には取引銘柄では「小麦」や「コーヒー」「金」「ガソリン」などが例にあがります。 これだけ見るとすごく身近なモノを取引していることが分かりますね。
普段の生活していると、「ガソリン値上げ」とか「小麦粉値上げ」などのニュースがありますが、 これらは商品先物取引により市場での価格が高騰したためにおこる現象です。 取引の仕組みが分かれば、世の中がもっと分かりやすくなる、それが商品先物取引の魅力の一つです。
現在は世界的に景気が悪く、安定した価値を求めて「金」の人気が上昇しています。 また、一時期ガソリン価格が高騰したときは消費者の生活を直撃したように、商品先物取引は生活に密接に結びついています。 商品価格の変動に影響しているのは需要と供給のバランスですが、 豪雨や干ばつといった気候変動や、紛争など政治的な要因によっても大きく変動します。
■商品銘柄と取引所
商品先物取引では、取引できる銘柄が決まっており、それらの取引は取引所で行われます。 主な取引所としては「東京穀物商品取引所」「東京工業品取引所」があり、取引銘柄としては右の図のような銘柄が取引されています。
名前の通り、「東京穀物商品取引所」では「農産物」、「東京工業品取引所」では「工業原料」が取引されているのが分かると思います。 また、東京工業品取引所では「TOCOM NEXT」という「指数取引」も取り扱っています。 TOCOM NEXTではエネルギーや貴金属など、コモディティ価格を総合的に表す日経・東工取商品指数を対象とした取引です。 TOPIXなどの他の投資とは異なる相場の動きをするので、投資の分散効果を高めるオルタナティブ投資先の一つとしても利用が期待できます。
■商品先物取引の仕組み
商品先物取引では商品価格は上下しますが、値上がりだけが利益を得る機会ではありません。 商品先物の仕組みで特徴的なものは「買い」「売り」どちらからでも取引ができる点にあります。 「安く買って高く売る」だけでなく「高く売って安く買い戻す」ということができます。 これだけ聞くと分かりにくいかもしれませんが、商品先物はあらゆる局面で利益を出すチャンスがあります。 銘柄によって値動きに特徴がありますし、いつはじめても利益を得る機会があることが商品先物取引の魅力といえます。
また、商品先物取引の魅力はレバレッジを効かせることで小さな資金で大きく取引できる点にもあります。 例えば「金」を取引単位である1000g取引した場合を例にします。 仮に金価格を「1g=\4,200」した場合、実際に1000g取引する場合には約420万円必要ということになりますが、 商品先物取引で取引する場合は420万円を用意しなくても、「105,000円」の証拠金を用意すれば投資が行えます。 これがレバレッジを利用した取引です。「てこ」のように少ない資金で多額の取引を行うことが出来ます。 商品先物取引では、このレバレッジを効かせることにより、効率の良い資産運用が可能になります。