続落=欧州不安とドル高で-4カ月ぶり安値〔NY金〕(8日)
2012年5月9日
【ニューヨーク時事】8日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、欧州不安を背景に対ユーロでドル高が進行したことを嫌気し、続落した。中心限月6月物は4カ月ぶりに一時1オンス=1600ドルを割り込む水準まで下落。前日終値比34.60ドル安の1オンス=1604.50ドルで引けた。終値としても4カ月ぶりの低い水準だった。
ギリシャ総選挙で欧州連合(EU)が要求した緊急財政策を受け入れた連立与党が大敗したことや、新たな連立政権樹立の動きが難航するなど同国政局不安が浮上。これを嫌気した投資家は「質への逃避」であるドル買いに向き、外為市場ではユーロ安・ドル高が進行。このためドル建ての金相場は相対的な割高感から売りが先行した。また、フランスのオランド次期大統領は、EU各国の財政規律強化を盛り込んだ財政協定について、経済成長に向けた戦略も取り入れるべきだと主張、同協定の維持を求めるドイツとの意見対立が表面化で欧州債務危機が悪化するのではないかとの見方も圧迫材料となった。さらに300日移動平均を割ったことに伴うテクニカル要因による売りも入り、電子取引では一時、1595.50ドルまで押された。売り一巡り後は外為市場でユーロが強含んだことから、金相場も若干買い戻され、下落幅を縮めた。
オリンパス・フューチャーズの上級市場ストラテジスト、チャールズ・ネドス氏は「ギリシャなど根強い欧州政局不安を背景にドル高が進行したのと同時に、金相場は抵抗線だった300日移動平均線を下抜けしたことから、市場全体の売り圧力が一気に強まった」と述べた。
金塊現物相場は午後1時41分現在、34.645ドル安の1603.530ドル。(了)
[時事通信社]
ギリシャ総選挙で欧州連合(EU)が要求した緊急財政策を受け入れた連立与党が大敗したことや、新たな連立政権樹立の動きが難航するなど同国政局不安が浮上。これを嫌気した投資家は「質への逃避」であるドル買いに向き、外為市場ではユーロ安・ドル高が進行。このためドル建ての金相場は相対的な割高感から売りが先行した。また、フランスのオランド次期大統領は、EU各国の財政規律強化を盛り込んだ財政協定について、経済成長に向けた戦略も取り入れるべきだと主張、同協定の維持を求めるドイツとの意見対立が表面化で欧州債務危機が悪化するのではないかとの見方も圧迫材料となった。さらに300日移動平均を割ったことに伴うテクニカル要因による売りも入り、電子取引では一時、1595.50ドルまで押された。売り一巡り後は外為市場でユーロが強含んだことから、金相場も若干買い戻され、下落幅を縮めた。
オリンパス・フューチャーズの上級市場ストラテジスト、チャールズ・ネドス氏は「ギリシャなど根強い欧州政局不安を背景にドル高が進行したのと同時に、金相場は抵抗線だった300日移動平均線を下抜けしたことから、市場全体の売り圧力が一気に強まった」と述べた。
金塊現物相場は午後1時41分現在、34.645ドル安の1603.530ドル。(了)
[時事通信社]
その他のニュース