商品先物取引会社の情報はコモディティニュース

　【ニューヨーク時事】３０日のニューヨーク商品取引所（ＣＯＭＥＸ）の金塊先物相場は、欧州債務危機の深刻化を懸念する声が強まる中、安全資産とされる金塊に「質への逃避」買いが集中した。中心限月６月物は反発し、前日終値比１４．７０ドル高の１オンス＝１５６３．４０ドルで取引を終えた。
　朝方は軟調。経営難に陥っているスペインの大手銀バンキアへの資本注入をめぐり、同国政府や欧州中央銀行（ＥＣＢ）の対応の遅れを懸念し、外国為替相場ではユーロを売ってドルを買う動きが加速。これがドル建てで取引される商品の割高感を強め、金塊は電子取引で一時１５３０．４０ドルまで売られた。
　しかし、この日は欧州の金融システム不安を背景に、株式や他の商品先物など高リスク資産からの資金引き揚げが活発化。ドル高・ユーロ安の進行にもかかわらず、金塊は行き場を失った資金の受け皿として選好され、事前に設定された買い注文を巻き込む形で一段と上げ幅を拡大して引けた。
　金塊現物相場は午後１時５４分現在、１４．９９５ドル高の１５６７．９４５ドル。（了）
［時事通信社］