金現物、一時2カ月ぶり高値=今週は4%高に〔インサイト〕(16日)
2013年8月16日
【シンガポール・ロイターES=時事】欧州時間16日朝方の金現物相場は、2カ月ぶりの高値に上昇した後で値を消している。中国からの強い引き合いに加え、テクニカル分析上の主要な水準を上抜けたことを受けたショートカバーが上場の原因。これにより金は今週、週間ベースで1カ月ぶりの大幅上昇のペースとなっている。
強めの米経済統計が、米連邦準備制度理事会(FRB)が近いうちに量的緩和の縮小を始める可能性を示唆したことを受けて、金はアジア時間帯の取引でプラス圏とマイナス圏を行き来した。しかし過去数日間の上向きな勢いのため、売り手は様子見姿勢だ。
金相場は過去8営業日中6営業日で上げ、世界最大の金上場投資信託(ETF)に珍しく資金が流入したが、中長期トレンドはネガティブ。
ソシエテ・ジェネラル(シンガポール)の商品調査ストラテジスト、マーク・キーナン氏は「これらの水準はおおむねテクニカル要因が主導しており、持続不可能だ」と分析。現在の相場高は弱気な予想を変えるものではないとして、「これは売りを出す機会だ」と主張。さらに「9月のFRB次回会合で量的緩和の縮小に関して新たな材料が得られるだろう。縮小はその頃に始まる公算が大きく、そうなれば金相場は再び下げる」と予想した。
金現物は一時、2カ月ぶり高値の1オンス=1372.51ドルを記録。その後値を消し、0730GMT時点では0.95ドル(0.07%)安の1364.60ドル。金は今週、4%ほど上昇している。
金は相場が15日に1350ドルを超えたことを受けたテクニカル要因による買いに支えられた。またエジプト情勢の緊迫感の高まりも、安全資産を求めた金買いをいくらかもたらした。世界最大の金ETF、SPDRゴールド・トラストの金保有高は今週いくらか増加した後で、15日に減少した。(了)
[時事通信]
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