〔インサイト〕金現物、下げ止まる=米量的緩和維持期待に(5日)
2013年11月5日
【シンガポール・ロイターES=時事】欧州時間5日朝方の金現物相場は、6営業日続落の後で、ほぼ横ばいで推移している。米連邦準備制度理事会(FRB)がまだ当面は超緩和的な金融政策を維持することを示唆する当局者らの発言が、相場を支援した。
金現物は0729GMT時点で、0.06ドル(0.00%)高の1オンス=1314.42ドル。一時は1317.96ドルまで上昇した。
重要な米雇用統計の発表を週内に控え、投資家は大きなポジション構築を避けている。
FRBのある当局者は4日、米経済により明確な改善の兆候が見られた場合にのみ資産購入(量的緩和)を縮小すべきであり、さらに縮小自体も緩やかに行われるべきだと述べた。また別の当局者2人はそれぞれ、縮小を急ぐ必要はないと強調した。
ジンルイ・フューチャーズ(深セン)の貴金属アナリスト、チェン・ミン氏は「最近の政府機関閉鎖やさえない経済指標のため、FRBが年内に景気刺激策を縮小する可能性は低い」とした上で、「FRBは来年第1四半期に縮小を始めると予想する。よってわれわれは金相場については弱気なままだ」と語った。
8日発表の米雇用統計が強めの内容となれば、FRBが12月から量的緩和縮小を始めるとの懸念が再燃する可能性がある。
金のトレーダーらはこの日、ユーロ相場にも注目していた。ユーロは序盤の上昇分を消し、7週間ぶりの安値近辺で推移。今週の欧州中央銀行(ECB)金融政策会合を控え、投資家が慎重だった。(了)
[時事通信社]
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