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〔インサイト〕金現物、ドル安受け上昇=米量的緩和縮小懸念根強い(10日)

2013年12月10日

   【シンガポール・ロイターES=時事】欧州時間10日朝方の金現物相場は、ドルが軟化する中を約1週間ぶりの高値に上昇した。ただ、来週の米連邦準備制度理事会(FRB)の政策会合に注目が移っており、商いは控えめだった。
 FRBの量的緩和策のより明瞭な見通しを求めて投資家が様子見を続ける中、先物市場、現物市場の出来高は少なめだった。
 金現物は0728GMT時点で、4.5ドル(0.36%)高の1オンス=1245.06ドル。一時は12月4日以来の高値となる1247ドルを付けた。
 金相場は過去2営業日において、ショートカバー(買い戻し)やファンド筋の買いなどにより上昇した。フィリップ・フューチャーズの投資アナリスト、ジョイス・リウ氏は「短期の強気が来週いっぱい続く可能性はとても低い。年内最後となる(来週の)連邦公開市場委員会(FOMC)が近づくにつれ、投機筋はより慎重に取引を行う公算が大きい」と語った。
 市場は、最近の強めの経済指標を受けてFRBが12月17、18日のFOMCで月額850億ドル規模の債券買いの縮小開始を決める可能性があると懸念している。
 FRB当局者2人は9日、FRBが縮小に近いとの市場の見方を裏付ける発言を行った。米セントルイス連銀のブラード総裁は、雇用市場改善の兆候を受けて、FRBが今月、量的緩和規模の若干の縮小に踏み切る可能性があるとの認識を示した。また米ダラス連銀のフィッシャー総裁は、来週のFOMCで、債券買いの縮小を直ちに始めるよう他の出席者に促すだろうと述べた。
 ユーロは10日も買われ、対ドルで6週間ぶりの高値を付けた。(了)

[時事通信社]
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