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〔インサイト〕金現物、ドル安で上昇=米雇用統計に注目(10日)

2014年1月10日

   【シンガポール・ロイターES=時事】欧州時間10日朝方の金現物相場は、ドルが7週間ぶり高値水準から下げる中、値上がりしている。投資家は米経済状態を判断する手掛かりとして、この日発表される米雇用統計の非農業部門就業者数の数字を待っている。同統計が米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策にどう影響するのかも注目される。
 市場は、雇用統計が強めの内容だった場合、FRBが量的緩和を一段と縮小する可能性があると懸念している。FRBは2013年12月に、月額850億ドルの資産購入額を100億ドル減らすと発表した。
 量的緩和の縮小をめぐる懸念から投資家が資金を金塊から株式に移す中、金相場は13年に30%近く下落。13年ぶりの下落となった。
 香港を拠点とするある貴金属トレーダーは「非農業部門就業者数の統計発表を控え、いくらかポジション調整の動きが見られる。FRBは景気刺激策に関する判断を下す上で、雇用に関するデータをかなりチェックしている」と語った。
 新規失業保険申請件数など、今週これまでに発表された他の経済指標は、米経済が勢いを増していることを示唆する内容だった。
 0736GMT時点で、金現物相場は5.2ドル(0.42%)高の1オンス=1232.74ドル。
 ドルの主要通貨バスケットに対する相場はこの日、7週間ぶり高値水準から軟化。米雇用統計を控えて利食い売りが出た。
 INTL・FCストーンのアナリスト、エドワード・メイア氏は「もしわれわれが考えているように、非農業部門就業者数が予想よりも高い数字となれば、ドルはまた一時的に急伸するだろう」と語った。
(了)

[時事通信社]
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