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〔インサイト〕金現物、小動き=ウクライナ懸念緩和が圧迫(8日)

2014年5月8日

 【シンガポール・ロイターES=時事】欧州時間8日朝方の金現物相場は、前日に約3週間ぶりの大幅下落を記録した後で、小反発し、1オンス=1300ドルを下回る水準で推移している。ウクライナ情勢の緊張が和らぐ兆候がみられたことから、安全な資産としての金の魅力が薄れている。
 ロシアのプーチン大統領はウクライナ東部の親ロシア派に対し、11日に予定されている自治権拡大の是非を問う住民投票を延期するよう要請。この呼び掛けはウクライナを国土分割の瀬戸際から引き戻す可能性がある。
 プーチン大統領はまた、対ウクライナ国境からロシア軍を撤退させているとも発言。冷戦終結以来最悪の東西危機において、状況を打開する動きになるかもしれない。
 金相場の年初来での7%上昇の大半はウクライナ情勢の緊迫が原因。
 OCBCバンク(華僑銀行)のアナリスト、バルナバス・ガン氏は「ここからの金の見通しは、ウクライナ情勢がどう展開するかにかかっている」と指摘。「ウクライナ情勢が最悪の事態にならないとの見方を基に、われわれは金相場について依然弱気で、相場は年末までに1150ドルになると予想する」と語った。
 金現物相場は0624GMT時点で2.61ドル(0.2%)高の1オンス=1291.55ドル。前日は4月15日以来の大幅下落となる1.4%安だった。
 米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の発言を受けた株価の上昇も金相場に影響した。(了)

[時事通信社]
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