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〔インサイト〕金現物、ほぼ横ばい=今週は上昇へ(12日)

2015年6月12日

   【シンガポール・ロイターES=時事】欧州時間12日朝方の金現物相場は、前日の下落の後でほぼ横ばいで推移している。強めの米経済指標で米利上げの可能性が高まったことが相場を押し下げた。ただ金は今週1週間を通じては上昇となる見込み。先週までは3週連続で下落していた。今週はドル安で値上がりしていた。
 ギリシャ金融支援協議の情勢が悪化したにもかかわらず、安全資産を求めての買いが金に入らなかったことで、懸念を抱くトレーダーもいた。
 金現物は0651GMT時点で1.23ドル(0.1%)高の1オンス=1183.03ドル。前日は0.4%下落していた。
 国際通貨基金(IMF)は11日、ギリシャへの金融支援交渉でギリシャ側との意見の相違が大きいとして、交渉担当者がブリュッセルでの交渉から帰任したと発表。情勢がより緊迫した。
 HSBCのアナリスト、ジェームズ・スティール氏は「これまでのところ金はギリシャ情勢に若干支援されているだけだ。ただ、もし状況がより不透明になり、ギリシャのデフォルト(債務不履行)の可能性が高まったようにみえれば、金相場はその恩恵を受けるかもしれない」と語った。
 11日発表された5月の米小売売上高が増加したことも、金を圧迫している。米経済成長がようやく勢いを増していることを示す最新の兆候と言える。経済が力強さを増しつつあることで、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に政策金利を引き上げる可能性が高まっている。12日のドル相場はこれまでの小幅上昇分を維持。ただ今週を通じては1.4%安となる見込み。ドル安に支えられ、金は今週を通じては1%高となる見通し。(了)

[時事通信社]
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