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〔インサイト〕金現物、下落=5年ぶり安値付近(22日)

2015年7月22日

   【マニラ・ロイターES=時事】欧州時間22日朝方の金現物相場は下落している。下落はここ8営業日で7営業日目となる。20日に約2年ぶりの大幅下落を記録した後で、金への下落圧力が続いている。需要見通しが曇る中、今後は一段の下落が予想されている。
 米利上げが迫っていることが、投資先としての金の魅力を損ねており、20日の4%急落の後でさらなる売りを誘っている。世界最大の金上場投資信託(ETF)、SPDRゴールド・トラストの金保有高は21日にさらに減り、2008年8月以来の低水準。
 香港の永豊金融集団の調査責任者、マーク・トー氏は「長期的な下落傾向はまだあり、さらに多くの人々が売りを出している。強気要素は一つも見当たらない。インフレは十分に抑えられており、人々の金買いを後押しするようなシステム全般の危機は見られない」と語った。
 金現物相場は0610GMT時点で0.7%安の1オンス=1093.71ドル。
 一時は1090.55ドルまで下落。20日に付けた10年3月以来の安値1088.05ドルに迫った。20日は上海金取引所で大量の金が取引されたことが下げ幅を拡大させた。普段ならば金先物の取引は数十件にすぎないアジア取引時間帯序盤で、ニューヨーク市場で4秒間の間に5億ドルを超える金額に相当する金塊が売られた後を受けた出来事だった。
 今週の大幅な価格下落にもかかわらず、現物需要は低調なままだ。中国の需要の沈滞を補うような勢いはインドには見られない。買い手は一段の相場下落を待っている。インドは婚礼シーズンではなく、降雨不足であることが需要を減退させている。(了)

[時事通信社]
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