〔インサイト〕金現物、上昇=中国PMI受け株価とドル下落(1日)
2015年9月1日
【マニラ・ロイターES=時事】欧州時間1日朝方の金現物相場は上昇している。中国経済の弱さを示す新たな兆候が見られ、株価が下落したことが背景。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)が今月利上げに踏み切る公算が大きいとの見方が強まっていることが、金相場の上値を抑えた。 中国国家統計局が1日発表した8月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は49.7と、3年ぶりの低水準だった。中国経済が突然ハードランディングに向かい始めたかもしれないとの投資家の懸念が高まった。中国PMIを受けてアジア株は大幅下落。先週末のFRB主要当局者の発言が、9月利上げの公算が大きいことを示していると受け止められ、アジア株は前日も下げていた。通貨はリスク回避傾向でユーロや円が買われる中、ドルは軟化した。シドニーのCMCマーケッツの主任市場アナリスト、リック・スプーナー氏は「アジア時間帯では全般的にリスクオフの動きがみられる。金が幾らか買われることはそれと一致した動きだろう」と指摘した。 金現物相場は0558GMT時点で0.6%高の1オンス=1141ドル。前日は目立った動きは見られなかった。金現物は8月月間で3.5%上昇。中国景気減速への懸念が安全資産買いをもたらした。ただ金は8月に付けた7週間ぶり高値から下げている。 FRBが次回9月16、17日の金融政策会合で政策金利を引き上げる可能性を示す兆候が増えていることが、金の上昇余地を制限するかもしれない。 MKSグループのトレーダー、ジェームズ・ガーディナー氏は、金の最初の上値抵抗線を1145ドル、次は1150ドルとみており、直近の下値支持線は1125ドル付近としている。(了)
[時事通信社]
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