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〔インサイト〕金現物、堅調も約6年ぶり安値近辺=ドル高、米利上げ観測で(24日)

2015年11月24日

   【シンガポール・ロイターES=時事】欧州時間24日朝方の金現物相場は小幅上昇しているが、先週付けた約6年ぶり安値に近い水準にとどまっている。ドル高に加え、米連邦準備制度理事会(FRB)が12月に利上げするとの見方が強まっていることが相場を圧迫している。投資家が米利上げに備える中、金を裏付けとする上場ファンドから資金が引き揚げられていることも相場を損ねている。  金現物相場は0706GMT時点で1オンス当たり0.3%高の1072.20ドル。ただ、先週に付けた、2010年2月以来の安値となる1064.95ドルからそれほど離れていない。銀現物相場は前日に09年8月以来の安値を記録。白金は08年12月以来の安値を付けた。  香港のリーチョン・ゴールドディーラーズの主任ディーラー、ロナルド・リョン氏は「投機筋は来月の利上げを予想しているため、人々は金を投げ売りしている。買い持ちは解消されつつある」と指摘した。現在のドル高がドル安に変われば、相場を支援するかもしれないという。ドルは利上げへの期待から、23日に8カ月ぶり高値を付けた。  米サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は21日、失望させられる内容の米経済統計が出ない限りは、FRBが来月の次回会合で利上げを決める強い根拠があると発言した。今月発表された米雇用統計の非農業部門就業者数も、米経済は堅調との見方を後押しする内容だった。リョン氏は「現在、実需は金相場を少し支援している。しかし積極的ではない」と語った。  世界最大の金上場投資信託(ETF)であるSPDRゴールド・トラストの金保有高は23日に、08年9月以来の低水準となる655.69トンに減少した。(了)

[時事通信社]
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