〔インサイト〕金現物、1年1カ月ぶり高値=ドル安と利上げないとの思惑(8日)
2016年3月8日
【マニラ・ロイターES=時事】欧州時間8日朝の金現物相場は約1年1カ月ぶり高値に上昇した。ドル安に加え、15、16両日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げは行わないとの思惑から値上がりした。 フィリップ・フューチャーズ(シンガポール)の投資アナリスト、ダニエル・アング氏は、来週のFOMCでFRBが金利据え置きを決定した場合、金は現在の水準を2%超上回る1オンス=1300ドルを試す可能性があると指摘した。その上で、「トレーダーらの多くは『金利据え置き』というシナリオを描いており、金は若干上昇している」と分析。不安定な世界経済と、ここ最近のドル高が米国の輸出を抑制しており、金利据え置きへの確信につながっている可能性があると付け加えた。 金現物は0644GMT(日本時間午後3時44分)時点で、0.2%高の1オンス=1269.46ドル。4日に付けた2015年2月3日以来の高値1279.60ドルからそれほど離れていない。 ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月きりは、0.5%高の1オンス=1270.50ドル。 4日に発表された2月の米雇用統計が堅調な内容だったにもかかわらず、ドルは方向感の見えづらい展開となっている。(了)
[時事通信社]
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