〔インサイト〕金現物、1週間ぶり高値=日銀の金融政策維持受けドル下落(28日)
2016年4月28日
【シンガポール・ロイターES=時事】欧州時間28日朝方の金現物相場は、下落分を取り戻し、1週間ぶりの高値水準に上昇した。日銀が金融政策の現状維持を決めて市場を驚かせたことを受けてドルが対円で2%超下落したことが背景。 発表後、日銀が一段の金融緩和を行うと見込んだポジションを投資家が巻き戻す中、円はドルとユーロに対して上昇した。 金現物は一時は1オンス当たり0.7%下落したが値を戻し、1週間ぶり高値の1256.60ドルに上昇。0647GMT時点では10.1ドル(0.81%)高の1255.8ドル。 トレーダーらによると、米連邦準備制度理事会(FRB)が27日に出した金融政策声明は、政策見通しに関する手掛かりが乏しかったことから、金相場はドル・円相場に追随していたという。 FRBは6月の利上げ余地を残したが、利上げを急がない姿勢を示した。雇用は改善しているとしながらも、経済成長が鈍化したようだとの認識を示した。 HSBCのアナリスト、ジェームズ・スティール氏は「FRBが利上げ見送りを長く続ければ続けるほど金にとっては良い」と指摘。「金塊市場は今後、6月の次回会合での利上げの見通しに注目する。FRBが年内に金融引き締めを行う可能性は、金相場の上値を抑制する作用があるかもしれない」と語った。 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のフェドウオッチによると、投資家はFRBが政策金利を6月に引き上げる確率を23%とみている。きょう発表予定の米国内総生産(GDP)統計が手掛かり材料として注目される見込み。(了)
[時事通信社]
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