〔インサイト〕金横ばい、3カ月ぶり高値近辺=政治・経済の不透明感で(8日)
2017年2月8日
欧州時間8日朝の金現物相場は、ほぼ横ばい。前日に付けた約3カ月ぶり高値圏を維持した。米国と欧州の政治・経済的な不透明感が安全資産の需要を促進し、金を押し上げた。 金現物相場は0616GMT時点で、おおむね横ばいの1オンス=1233.06ドル。前日は、昨年11月11日以来の高値となる1235.78ドルを付けた。 山東黄金集団の主任アナリスト、ジアン・シュー氏は「金相場の背景にある最大のけん引材料は、米連邦準備制度理事会(FRB)が直近の政策会合で政策金利を引き上げなかったという事実、トランプ米大統領の政策がもたらした幾分かの不透明感、そしてドルの下落だ」と指摘。「米国と欧州の不透明感から金相場は2月半ばまで上昇を続けるだろう。しかし、1月の(米)消費者物価指数(CPI)統計が発表されれば、3月利上げの可能性についての手掛かりになるだろう」と語った。 イスラム圏7カ国からの入国禁止を命じた米大統領令をめぐる議論は最近、安全資産としての金の需要を高めた。一方、選挙が複数予定されている欧州の政治的不透明感はドルを押し上げた。 HSBCのアナリストらはメモで「今週は重要な統計の発表が少なく、市場の注目が政治に集まっているかもしれない」と分析。「米政策をめぐる不透明感が金買いの少なくとも一部をもたらしている可能性が高いが、今年のフランス大統領選に出馬する極右で欧州統合に懐疑的な政党・国民戦線(FN)のルペン党首が世論調査で勢いを増している可能性への投資家の反応もある」と説明した。(ロイターES時事)
[時事通信社]
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