〔NY金〕続伸、1999.20ドル(3日)
2023年11月3日
【ニューヨーク時事】週末3日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米長期金利の低下や対主要通貨でのドル下落を背景に、続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比5.70ドル(0.29%)高の1オンス=1999.20ドル。
米労働省が朝方発表した10月の雇用統計で、非農業部門の就業者数は前月から15万人増加した。伸びは前月の29万7000人(改定値)から大きく縮小し、市場予想(18万人増=ロイター通信調べ)も下回った。失業率は3.9%と前月から若干悪化したほか、インフレに影響する平均時給は前年同月比4.1%上昇し、伸びは前月から減速した。加えて、午前発表された10月の米サービス業購買担当者景況指数(PMI)は51.8と前月から低下。市場予想(53.0)も下回った。
この日発表の一連の米雇用関連指標や経済指標が労働市場の軟化や景気減速の兆候を示唆するような内容だったことから、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めサイクルが終わりに近づいているとの観測が拡大。米長期金利が低下し、金利を生まない資産である金は買いが優勢となった。相場は2000ドルの節目を上回る場面もあった。外国為替市場で主要通貨に対しドルが下落したことも、ドル建て商品の割安感につながり、相場を支援した。
一方、リッチモンド連邦準備銀行のバーキン総裁は3日、米テレビのインタビューで、追加利上げの必要性を確信しているかどうかを問われ「早まった判断はしない」と発言。12月の連邦公開市場委員会(FOMC)までに公表される米物価関連指標など複数の統計内容を精査する意向を示した。(了)
[時事通信社]
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