〔NY石油〕WTI6日ぶり反落、71.69ドル(6日)
2024年10月6日
【ニューヨーク時事】6日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米大統領選の結果判明を背景とした株高が支援要因となったものの、ドル高や米国内の在庫増加が重しとなり、6営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.30ドル(0.42%)安の1バレル=71.69ドル。1月物は0.32ドル安の71.24ドルだった。
米大統領選で共和党のトランプ前大統領の当選が確実となり、追加関税の導入などインフレを招きかねない公約が改めて意識され、米長期金利が早い段階で上昇した。外国為替市場ではドル高・ユーロ安が進み、ドル建てで取引される商品の割高感に着目した売りが台頭。原油相場は売りが先行し、一時70ドルを割り込んだ。
売り一巡後は、一転して買い戻しが殺到。米株価が1000ドル超急騰したことも同じリスク資産である原油の支援要因となり、相場は一時72ドル台に浮上する場面もあった。ただ、急ピッチでの上げに高値警戒感も広がり、終盤にかけて売り買いが交錯する展開となった。
米国内の原油・石油製品在庫の積み増しも相場を圧迫。米エネルギー情報局(EIA)が午前公表した週報によると、1日までの1週間の米原油在庫は前週比210万バレル増と、積み増し幅は市場予想(110万バレル増=ロイター通信調査)を上回った。ガソリン在庫は40万バレル増、ディスティレート(留出油)在庫は290万バレル増と、いずれも市場予想に反して増加した。
トランプ氏の公約を巡り、原油相場への影響に対する見方は分かれている。一部のアナリストは、米国内の石油増産を推進する政策が供給過剰につながる可能性があると指摘。加えて、関税引き上げで世界最大の石油輸入国である中国の景気を一段と下押しするとの警戒感も出ている。一方、トランプ氏を後ろ盾にイスラエルのネタニヤフ政権が強硬路線に傾き、中東情勢の不安定化に拍車が掛かるほか、石油輸出国機構(OPEC)加盟の主要産油国イランとベネズエラに対する制裁で世界的な供給削減につながるとの見方もある。
▽ガソリン=3営業日ぶりに反落。中心限月12月物の清算値は0.92セント安の1ガロン=203.54セント。
▽ヒーティングオイル=3営業日ぶりに反落した。12月物の清算値は3.42セント安の1ガロン=227.00セント。
[時事通信社]
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