〔NY金〕5日続伸、3592.20ドル=連日の最高値更新(2日)
2025年9月2日
【ニューヨーク時事】連休明け2日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米国の関税政策や中央銀行人事を巡る不透明感を背景に、安全資産としての需要から買われ、5営業日続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前週末比76.10ドル(2.16%)高の1オンス=3592.20ドル。2営業日連続で史上最高値を更新した。
米連邦巡回区控訴裁判所は8月29日、トランプ大統領が導入した相互関税などについて、「大統領の権限を大幅に越えている」との一審結果を支持し、違法との判断を下した。ただ、実施済みの関税効力は10月14日まで維持される。これに対し、トランプ氏は上訴の意向を明らかにしており、今後は最高裁の判断に委ねられる見通しとなった。
また、同日には、トランプ氏から解任通告を受けたクック連邦準備制度理事会(FRB)理事が違法性を主張して起こした訴訟の審理が始まった。同訴訟も最終的に最高裁に持ち込まれる公算が大きく、大統領の権限と中央銀行の独立性を巡る重要な法的争点となる見込み。こうした関税や中銀人事を取り巻く不透明感が安全資産への需要につながり、金相場はじりじりと上昇した。
キトコの上級市場アナリスト、ジム・ワイコフ氏は、目先は強気筋が優位にあるとして、「次は3700ドル付近の抵抗線を上抜けた水準での引けを目指す展開になる」と分析した。(了)
[時事通信社]
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